木彫教室[第49回]-カービング時のクランプ2-

クランプ2

 時には、ワークが不規則な形をしていたり、薄かったり、あるいは壊れやすかったりして、前回記述したクランプ方法を採用できないような場合があります。

 これらの典型的な例は、チッペンデールなどのアプライドデコレーションに見られます。

※チッペンデ-ル:18世紀の著名な家具デザイナー
 (1718-1779)チッペンデール様式の創始者
 有名な著書は”Gentleman and Cabinet Maker’s Director”(1754)
 日本で同時期に出版された書物は、杉田玄白の”解体新書”です。
 ”Gentleman and Cabinet Maker’s Director”は今でも、コピーが売られていますが、かなり高価です。(5-6万円くらい)。
 ほとんどのページは絵で構成されており、文字はほとんど見られませんが、クオリティは非常に高いものです。図は詳細に描かれています。
 現在、私たちが目にする、ほぼすべてのデザインが、この本1冊にまとめられているといって過言ではありません。アンティークのバイブル的な地位。

※アプライドデコレーション
 装飾の技法のひとつです。
 彫刻した素材を家具などに”アプライ”する(接着する)彫刻のひとつの技法のこと。

 そのようなパーツは厚さ6mmくらいしかないときがあります。
 また、カービングをはじめる前にはフレット(fret)処理をしなければなりません。
※フレット(fret):ギターなどのフレットと同じ語。
 金属を埋め込む処理のこと。

 このようなパーツの固定方法でもっとも簡単な方法は、厚い木の板に新聞紙を1枚挟んで接着することです。

 カービングが終了したあとに、薄いテーブルナイフで剥ぎ取ることができるよう、接着は薄くなくてはいけません。

 平ノミで接着面を叩いても簡単に引き剥がすことができます。

 新聞が厚さ方向に挟まっているので、簡単に除去できる上に、カービング中に必要な十分な強度を確保することができます。

 接着した木はクランプで固定しても良いですが、以下の図のように、ウッドワーカーズクランプでねじ止めしても構いません。

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