木彫教室[第12回]-オイルストーン、スリップス、グリッドストーン-

シャープニング

 彫刻ツールはいつもシャープな切れ味を保持していなくてはなりません。

 本当にシャープなエッジを作り、それを保持するために、砥石は必須のアイテムになります。

 シャープなエッジを、一番簡単に得る方法はArkansasを使う方法です。

Soft Arkansas Stone in Wooden Box

 Arkansasはアーカンソーでアメリカの町の名前ですが、砥石で有名です。

 砥石のことは英語で”whetstone”と言います。
 ”whet”は刃を研ぎ澄ますという意味ですが、時々”wet”という言葉と間違えられ、”water stone”(水砥石)と混同されます。

 しかし、本来はwhetstone(油砥石)とwater stone(水砥石)は別のものを指します。Sharpning stone(砥石)の中で両者は対極に位置しており、砥ぎ方も異なります。

 ローマ時代の歴史家Plinyは彼の書物”Natural History”の中で油砥石と水砥石のことに触れ、古代の石がどこで取れたかを示しています。

 しかし、天然砥石の使用は人工砥石の均一で、高い品質の製品が出荷されるに伴い、次第に使われなくなりました。

 結果、京都の伝説の鉱山ホンヤマは1967年に閉山しました。現在では、ベルギーのコティクレ鉱山で取れるものが、唯一の天然砥石と言われています。

 現在のセラミック砥石はほとんど天然砥石と同じくらいの高品質なもので、粒度が非常に均一なので砥石としては、最も適したものであると考えられています。

 研磨材の構成比率が、刃を鋭利に、かつ長切れ(長い間研がないでも切れ味が持続すること)できるように砥ぐ秘訣です。

 天然砥石は、その美しさと希少価値から、コレクターのアイテムとしても認識されています。

 最もよく知られた天然砥石は「ベルギーのコティクレ(Coticule)」という黄色灰色の砥石で、起源はローマ時代にまでさかのぼり、Ardennes というところで生産されてきました。

 Coticule よりも少し質が劣りますが、「ベルギー青砥石」はCoticuleに隣接した層として形成されるので、自然に起きた黄色と青色の層の砥石として入手することができました。

 北西のレスターシャー〈イギリス〉のチャーンウッド森のかたい石は、数世紀、[8世紀]の間採石されて、砥石と挽臼石の原産地でした。

日本の砥石

 日本では、数百年に渡り水を使って刃物を研いできました。なお、水を使った水砥石にオイルを使うと研げなくなりますので、そのような使い方をしてはいけません。

 日本で取れた砥石は、多少柔らかく粘土行列の素晴らしい珪酸塩粒子から成る石のタイプでした。

 日本の砥石は沈殿物で構成され、最も名な場所は、京都のすぐ北のナルタキ地区で採掘する砥石でした。

 日本の砥石は歴史的に、荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の3つのグレードに分かれています。

 それぞれがどの粒度を指すか、特に決まったものはありませんが、荒砥石は500-1000番位、中砥石は3000-5000番位、仕上げ砥石は7000-10000番位が相当します。

 人工砥石の場合は30000番~120番までの幅があります。

砥石の形状

 砥石の形状はどのような形状も可能です。
 平らにシャープにすることもできますし、さまざまなセクションの研ぎに使うため、デコボコをつけることもできます。

 もし、砥石についているスリップ(ミゾ)が、必要とするセクションの研ぎに会わないとき、carborundumパウダー(金剛砂)とオイルを研磨剤として、平らなとぎ石でこすることで研磨することもできます。

柘榴石(石榴石、ざくろいし、garnet)
金剛砂として使用されることが多い

 使用可能な、オイルストーンスリップの形は次に示します。

様々なオイルストーンスリップの形とセクション

 次に研ぎに有効な方法はWashita Stone(Arkansas stoneの粒のことです)を刃先にかけて、仕上がり用に合成砥石を使用することです

 刃こぼれを起こした刃の面直しに使用するには問題ありませんが、仕上げ用の彫刻刀を、粗い砥石で仕上げようとしていけません。

 ツールを研磨したいときは、水砥石を(空砥石と比較してという意味ですが)使います。

 手で研げますし、旋盤でも、パワーツールでも研ぐことができます。

 水はツールを冷却し、音頭が上がり過ぎるのを防ぐことができます。

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